高齢化社会の最前線、規制と革新のせめぎ合い、そしてヘルステックの急台頭――医療・福祉業界は社会貢献性の高さと、テクノロジーによる変革の両面で注目を集めています。この記事では、医療・福祉業界の構造からインターンで経験できる仕事、ヘルステックの最新動向、そしてキャリアパスまでを詳しく解説します。
医療・福祉業界の構造
医療機関 / ヘルスケア企業
病院、クリニックの運営に加え、医療機器メーカー(テルモ、オリンパス等)、製薬企業(武田薬品、中外製薬等)、CRO(医薬品開発受託機関)など、医療を支える企業群は多岐にわたります。医療業界は規制が厳しく、薬機法(旧薬事法)や医療法など多くの法律の下で事業を行う必要があります。
福祉・介護
介護施設の運営(ベネッセスタイルケア、SOMPOケア等)、障害者支援、児童福祉など、社会的弱者のケアを担う領域です。2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上になり、介護需要がさらに増大すると予測されています。人手不足が深刻で、テクノロジーを活用した生産性向上が急務です。
ヘルステック
医療×テクノロジーの領域で革新を起こすスタートアップ群です。mederi(オンライン診療)、MICIN(オンライン服薬指導)、CureApp(デジタル治療アプリ)、Ubie(AI問診)など。オンライン診療、PHR(パーソナルヘルスレコード)、AI画像診断、デジタルセラピューティクスなど、テクノロジーが医療のあり方を根本から変えつつあります。
医療・福祉インターンの仕事内容
事業企画 / サービス開発
ヘルステック企業では、新しい医療サービスの企画・開発にインターン生が参加できるケースがあります。患者のペインポイント(困りごと)のリサーチ、競合サービスの分析、プロトタイプの検証など。医療という規制産業の中でイノベーションを起こす難しさと面白さを体感できます。
マーケティング / 広報
医療機関やヘルスケアサービスのマーケティングを担当します。医療広告ガイドラインに沿ったコンテンツ制作、SEO対策、SNS運用など。医療分野のマーケティングは「正確性」と「わかりやすさ」の両立が求められる専門性の高い領域です。
データ分析 / リサーチ
医療データの分析、疫学データのリサーチ、臨床試験のサポートなど。ヘルスケア領域のデータは機密性が高く、扱い方を学ぶこと自体が貴重な経験になります。
カスタマーサポート / 患者対応
ヘルステック企業では、ユーザー(患者や医療従事者)からの問い合わせ対応、利用サポートなどを担当することもあります。医療という繊細な領域でのカスタマーサポートは、共感力と正確性が求められる仕事です。
医療・福祉業界で身につくスキル
- 社会課題への当事者意識:高齢化、医療アクセスの格差、人手不足など、日本が直面する社会課題と正面から向き合う経験
- 規制環境下でのビジネス推進力:薬機法、医療法、個人情報保護法など、厳しい規制の中でビジネスを前に進める力
- エビデンスベースの思考:医療業界では「エビデンス(科学的根拠)」に基づく意思決定が絶対条件。データと根拠に基づいて判断する習慣が身につきます
- ステークホルダーマネジメント:医療従事者、患者、保険者、行政など、多様な関係者との合意形成力
- 倫理観:人の健康と命に関わる業界で培われる高い倫理意識は、あらゆるビジネスの土台になります
医療・福祉業界の給与相場
- ヘルステックインターン:時給1,100円〜1,800円
- 福祉・介護系インターン:時給1,100円〜1,400円
新卒入社の場合、製薬企業(MR職)で年収500〜650万円、医療機器メーカーで年収450〜600万円、ヘルステック企業で年収400〜600万円、介護企業で年収350〜450万円が相場です。製薬企業のMR(医薬情報担当者)は年収水準が高く、30代で年収800〜1,000万円に到達する人も多い。ヘルステック企業はストックオプション込みでのリターンが期待できます。
医療・福祉業界のキャリアパス
ヘルステック企業の事業開発
医療の知見とビジネススキルを掛け合わせ、新しい医療サービスを立ち上げる仕事です。オンライン診療、デジタルヘルス、PHRなど、成長市場の最前線でキャリアを築けます。
製薬企業のMR→マーケティング
MR(医薬情報担当者)として医師との関係を構築した後、マーケティング部門に異動し、製品戦略を統括するキャリアパスが一般的です。
医療×コンサルティング
マッキンゼーやBCGなどの戦略コンサルには医療・ヘルスケアに特化したチームがあり、医療業界の知見を持つコンサルタントの需要は高い。年収水準も高く、専門性を活かしたキャリアが築けます。
社会起業 / NPO
医療・福祉の社会課題を解決するために起業する道もあります。在宅医療、予防医療、メンタルヘルス、高齢者QOLの向上など、ビジネスと社会貢献を両立する領域で挑戦する人材が増えています。
医療 / 福祉業界で募集中のインターン
1. TOCソリューションズ 株式会社
職種:マーケティングアシスタント/エンジニア・デザインアシスタント / 給与:時給1,400円〜
【責任者直下で成長できる環境】AIを活用しながら医療業界のマーケティングやWEBサイト開発のサポートに挑戦するインターン!
2. 株式会社ジェイエルネス
職種:企画/マーケティング/CS / 給与:時給1,200円〜
【新規事業立ち上げ】ツアー×シニアの事業でビジネスを経験できるマーケティングサポートインターン!
3. 株式会社TENET
職種:マーケティング / 給与:時給1,500円〜
【経営メンバー直下】30億円資金調達したスタートアップ企業で、裁量権を持ってマーケティングに挑戦できるインターン!
4. mederi株式会社
職種:企画/SNSマーケティング / 給与:時給1,150円〜(成果次第で昇給あり)
【ゆうちゃみ出演CMで話題】企業のブランド構築に挑戦!SNSマーケにおけるコンテンツの企画から運用までを担うインターン!
5. 株式会社イノアス
職種:事業企画/オープンポジション / 給与:時給1,300円〜1,500円
【医療業界スタートアップ】医療業界の採用・コンサル・開業支援に挑戦するインターン!
医療・福祉インターンの選び方
ヘルステックか伝統的医療機関か
テクノロジーで医療を変えたいならヘルステック企業、医療の現場を深く理解したいなら病院やクリニック関連の企業を選びましょう。両方の経験があると、将来の選択肢が大きく広がります。
社会課題への共感
医療・福祉業界は「人の健康と命」に関わる業界です。純粋なビジネス的な関心だけでなく、この業界の社会的意義に共感できるかどうかは重要な判断基準です。
医療・福祉業界の注目トレンド
オンライン診療の本格普及
コロナ禍を機に規制が大幅に緩和されたオンライン診療は、初診からのオンライン対応が恒久化され、利用者数が急増しています。CLINICS、MICIN、mederiなどのオンライン診療プラットフォームが成長し、地方の医療アクセス改善にも貢献しています。オンライン服薬指導の解禁も追い風となり、医療のデジタルシフトは不可逆的な流れです。
デジタルセラピューティクス(DTx)
アプリやデジタルデバイスを「治療」に使う新しい医療カテゴリです。CureAppの禁煙治療アプリは薬事承認を取得し、保険適用されています。不眠症、高血圧、うつ病など、さまざまな疾患に対するDTxの開発が進行中で、2030年には市場規模が数千億円に達するとの予測もあります。
予防医療 × ウェアラブル
Apple Watch、Oura Ring、FitBitなどのウェアラブルデバイスが心拍数、睡眠、血中酸素濃度などの健康データを日常的に記録する時代。このデータを医療機関と連携させるPHR(Personal Health Record)の仕組みが整備されつつあり、「病気になってから治す」から「病気にならないよう予防する」医療への転換が進んでいます。
医療・福祉業界インターンの成功事例
ヘルステック企業のインターン→製薬会社に内定
オンライン診療プラットフォームの事業開発チームで1年間インターン。医療機関への導入営業と、サービス改善のためのユーザーリサーチを担当。医療業界の規制環境を実務で理解し、医師や薬剤師と日常的にコミュニケーションを取った経験が、大手製薬会社のMR職選考で高く評価されました。「ヘルステックでの経験は、製薬企業のデジタル戦略部門でも活きている」と振り返ります。
介護テック企業のインターン→社会起業
介護施設向けのIoTセンサーを開発するスタートアップでプロダクトマネジメントを経験。介護現場の課題を深く理解した結果、「認知症の早期発見×AI」をテーマに在学中に起業。ヘルスケア特化のVCからシード資金を調達し、事業を成長させています。
医療・福祉業界で評価される人材像
- 社会課題への当事者意識:「なぜこの課題に取り組みたいのか」を自分の言葉で語れること。医療・福祉業界は使命感が原動力
- エビデンスベースの思考:「データと根拠に基づいて判断する」姿勢は、医療業界で働く上での絶対条件
- 規制への理解と対応力:薬機法、医療法、個人情報保護法など、厳しい規制環境の中でビジネスを前に進める力
- 多職種との協働力:医師、看護師、薬剤師、介護士、エンジニア、ビジネスサイドなど、立場の異なる人々とチームを組む力
- テクノロジーの活用力:医療×テクノロジーの領域で活躍するには、最新のテクノロジートレンド(AI、IoT、データサイエンス)への理解が不可欠
よくある質問
医学部や看護学部でなくても医療業界のインターンに参加できますか?
ビジネスサイド(マーケティング、企画、営業、カスタマーサクセス)であれば医療系の学部出身である必要はありません。ヘルステック企業の多くはIT企業的な文化で、文系・理系を問わず多様なバックグラウンドの人材を求めています。
医療業界のインターンは専門知識が必要で難しそうですが、ついていけますか?
最初は専門用語に戸惑うこともありますが、多くの企業がOJTやメンター制度で丁寧にフォローしてくれます。むしろ「医療に詳しくない消費者目線」がサービス改善に役立つこともあり、素人視点は強みになります。
医療・福祉業界の市場規模と動向
日本の医療市場は約45兆円(国民医療費)、介護市場は約12兆円で、合計60兆円近い巨大市場です。高齢化の進展に伴い、この数字は今後も拡大が確実視されています。2025年には「団塊の世代」が全員75歳以上になる「2025年問題」を迎え、医療・介護の需要はピークに達します。
ヘルステック市場は国内約5,000億円規模で、オンライン診療(MICIN、CLINICS等)、AI画像診断(エルピクセル等)、デジタルセラピューティクス(CureApp等)、PHR(Personal Health Record)プラットフォームなど、テクノロジーが医療のあり方を変えつつあります。特にコロナ禍でオンライン診療の規制が大幅に緩和されたことで、ヘルステック企業の成長が加速しました。
医療・福祉業界インターン経験者のリアルな声
都内私立大学 理工学部 3年生(ヘルステック企業でインターン)
「オンライン診療プラットフォームの事業開発チームで、医療機関へのセールスと導入支援を担当しています。医師や看護師との対話を通じて、医療現場が抱える課題のリアルさを実感します。規制(医師法、薬機法等)を理解した上でサービスを改善する経験は、他の業界では得られない貴重な学びです。」
都内国立大学 教養学部 2年生(ヘルスケアスタートアップでマーケティングインターン)
「女性向けヘルスケアサービスのSNSマーケティングを担当しています。医療広告ガイドラインに沿ったコンテンツ制作は制約が多いですが、その中で『正確さ』と『わかりやすさ』を両立させるスキルが鍛えられます。社会的意義の高いサービスに関われることが何よりのモチベーションです。」
医療・福祉業界に向いている人・向いていない人
向いている人
- 社会貢献性の高い仕事に就きたいという強い動機がある人
- 医療や健康に対する関心があり、専門知識を学ぶ意欲がある人
- 規制産業の中でイノベーションを起こすことに知的好奇心を持てる人
- エビデンス(科学的根拠)に基づいた意思決定を重視する人
- 人の健康や命に関わる仕事の責任を理解し、倫理的に行動できる人
向いていない人
- スピード重視で「まず出してから修正する」スタイルの人(医療は安全性が最優先)
- 規制やルールを窮屈に感じる人(医療業界は規制が特に厳しい)
- 専門用語や科学的なリテラシーを学ぶことに抵抗がある人
医療・福祉業界のインターンを始める前の準備
- 医療制度の基礎知識:国民皆保険制度、診療報酬制度、医療法の基礎を理解しておくと業務への理解が深まります
- ヘルステックの動向フォロー:日経メディカル、Medius、ヘルステック専門メディアで業界ニュースをキャッチアップしましょう
- 薬機法・医療広告ガイドラインの基礎:ヘルスケア企業のマーケティングは法規制の理解が不可欠。概要だけでも押さえておきましょう
- データ分析の基礎:医療データは分析の宝庫。ExcelやSQLの基本操作ができると重宝されます
Voilのアドバイザーに相談するメリット
医療・福祉業界は「やりがいは大きいが、企業選びが難しい」業界です。ヘルステックスタートアップ、製薬企業、医療機器メーカーなど選択肢が多岐にわたる中、Voilのアドバイザーがあなたの専攻や興味に合った最適なインターン先を紹介します。社会課題の解決に関わりたいという志を持つ学生を、全力でサポートします。
医療・福祉業界の注目企業
CureApp
世界初のニコチン依存症向け治療アプリ「CureApp SC」が薬事承認・保険適用を取得したデジタルセラピューティクス(DTx)企業。高血圧、NASH(非アルコール性脂肪肝炎)などの疾患向けDTxも開発中。アプリが「処方される」という新しい医療の形を切り開いています。
Ubie
AI問診サービスを開発するヘルステック企業。患者がスマートフォンで症状を入力すると、AIが可能性のある疾患を提示し、適切な受診先を案内します。全国1,000以上の医療機関が導入しており、医療アクセスの改善に貢献。エンジニアと医師が協業する独自の開発体制が特徴です。
mederi
ピルのオンライン処方サービスを提供するフェムテック企業。産婦人科医監修のもと、安全かつ手軽にピルを処方するサービスで急成長中。女性の健康に関する社会課題の解決をテクノロジーで推進しています。インターンではマーケティングや企画の実務を経験できます。
エムスリー
医師向けプラットフォーム「m3.com」を運営し、国内医師の9割以上が会員。製薬企業向けのマーケティング支援、臨床試験支援、AI医療など、医療×テクノロジーの幅広い領域で事業を展開。時価総額2兆円を超えるヘルステック業界の巨人です。
医療・福祉業界のインターン面接で聞かれやすい質問
- 「なぜ医療・福祉業界に興味があるのですか?」 → 社会貢献への想いだけでなく、「テクノロジーで医療の課題を解決したい」「規制産業でのビジネスに挑戦したい」など、ビジネス視点も含めて語りましょう
- 「ヘルステック(医療×テクノロジー)で最も可能性があると思う領域は?」 → オンライン診療、DTx、PHR、AI画像診断、予防医療など、自分の関心のある領域について深く語れると高評価
- 「医療業界の規制について、どう思いますか?」 → 「規制は厳しいが、患者の安全を守るために必要」という理解をベースに、「その中でイノベーションを起こすことに意義がある」と語れると面接官に響きます
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まとめ
医療・福祉業界の長期インターンは、社会貢献性の高さ、規制産業でのビジネス経験、ヘルステックの最先端という、他業界にはない独自の価値を持つ場です。高齢化社会の進展とテクノロジーの進化により、医療・福祉業界は今後も成長が続く分野です。医療 / 福祉業界のインターンについてもっと知りたい方は、業界に詳しいアドバイザーが個別にご案内します。