三井不動産、三菱地所、住友不動産――デベロッパーが手がける再開発プロジェクトから、街のリアルな仲介営業、建設テックのスタートアップまで、不動産・建設業界は「まちと暮らしをつくる」産業です。この記事では、不動産・建設業界の構造からインターンで経験できる仕事、業界のDX化動向、そしてキャリアパスまで解説します。
不動産・建設業界の構造
デベロッパー(開発)
三井不動産、三菱地所、住友不動産、東急不動産などが代表格。用地の仕入れ、開発計画の立案、建設のディレクション、テナント誘致、管理運営まで、不動産開発の全工程を手がけます。大規模な再開発プロジェクト(東京ミッドタウン、麻布台ヒルズ等)は数千億円規模の投資が動くダイナミックなビジネスです。
仲介 / 売買
三井のリハウス、住友不動産販売、東急リバブルなど。物件の売り手と買い手(または貸し手と借り手)を結びつけるビジネスです。営業力が最も直接的に成果に結びつく領域で、トップ営業マンは年収2,000万円以上を稼ぐことも。
建設(ゼネコン / ハウスメーカー)
鹿島建設、大林組、大成建設(スーパーゼネコン)、積水ハウス、大和ハウスなど。建物の設計・施工を担います。建設業界は慢性的な人手不足に直面しており、ICT(情報通信技術)を活用した省力化が急務です。
不動産テック / 建設テック
GA technologies(RENOSY)、ietty、ANDPAD、Photoructionなど、テクノロジーを活用して不動産・建設業界のDXを推進するスタートアップ群です。物件検索のAI化、VR内見、建設現場のプロジェクト管理SaaS、ドローン測量など、テクノロジーの適用範囲が急速に広がっています。
不動産・建設インターンの仕事内容
営業(仲介 / 売買)
顧客との物件案内、条件交渉、契約書類の作成補助など。不動産営業は「一件の成約が数百万〜数千万円の売上になる」というビジネスで、営業力を鍛えるには最適の環境です。顧客の人生の大きな決断に寄り添うため、信頼関係構築力も磨かれます。
用地仕入れリサーチ
デベロッパーの仕入れ業務の補助として、候補地のリサーチ、周辺環境の調査、地権者情報の収集などを担当します。不動産の価値を多角的に評価する目が養われます。
マーケティング / デジタル施策
物件サイトのSEO対策、ポータルサイトへの掲載最適化、SNSマーケティング、VR内見コンテンツの制作など。不動産業界のデジタル化はまだ進行途上であり、デジタルマーケティングのスキルを持つ人材は非常に重宝されます。
プロジェクトマネジメント補助
建設プロジェクトや不動産開発の進捗管理、関係者との調整、書類作成などを担当します。不動産・建設は関係者(設計事務所、ゼネコン、行政、金融機関等)が多いため、調整力が鍛えられます。
不動産・建設業界で身につくスキル
- 営業力:高額商材を扱う営業経験は、あらゆる業界で通用する最強のスキルの一つです
- 不動産の評価眼:立地、建物、周辺環境、法規制を総合的に判断する力
- 法律知識:宅建業法、都市計画法、建築基準法など、不動産に関わる法律の基礎が身につきます
- 交渉力:地権者、テナント、金融機関など、多様なステークホルダーとの交渉経験
- プロジェクト管理力:長期かつ多関係者のプロジェクトを推進する力
不動産・建設業界の給与相場
- 不動産インターン:時給1,100円〜1,500円(+インセンティブの場合も)
新卒入社の場合、大手デベロッパーで年収500〜600万円、仲介会社で年収350〜500万円(+歩合)、ゼネコンで年収450〜550万円が相場です。大手デベロッパーは30代で年収1,000万円を超える企業が多く、不動産仲介のトップ営業は歩合を含め年収2,000万円以上も可能です。
不動産・建設業界のキャリアパス
デベロッパーの開発担当
用地仕入れ→企画→開発管理→統括というキャリアで、まちづくりの中核を担います。一つのプロジェクトに5〜10年かけることもある長期視点の仕事です。
不動産ファイナンス / AM(アセットマネジメント)
REIT(不動産投資信託)の運用、不動産ファンドの組成など、金融的な視点で不動産を扱う専門職です。年収水準が高く、実務経験と資格(不動産証券化マスターなど)があれば年収1,000〜2,000万円も。
不動産テックの起業
不動産業界はDX化の余地が大きく、テクノロジーで課題を解決するスタートアップが次々と生まれています。業界の課題を実体験で知っているインターン経験者は、起業においても有利です。
不動産 / 建設業界で募集中のインターン
1. 株式会社BEYOND BORDERS
職種:海外不動産営業 / 給与:時給1,226円〜 ※成果により昇給あり
【半年で海外案件に同行!】富裕層・経営者と渡り合う“実戦型”不動産セールスインターン
2. 株式会社エンターキー
職種:SNSマーケター / 給与:時給1500円以上 〜 経験によって要相談
【事業責任者候補】導線設計×数値改善で売上を作るSNSマーケターインターン
不動産・建設インターンの選び方
デベロッパーか仲介か不動産テックか
デベロッパーは大規模開発のスケール感、仲介は営業力の鍛錬、不動産テックはテクノロジー×不動産のイノベーションと、それぞれ得られる経験が異なります。自分の興味とキャリア志向に合わせて選びましょう。
宅地建物取引士の資格
在学中に「宅建」を取得すると、不動産業界での就職・インターン選考で大きなアドバンテージになります。宅建の勉強を始めるきっかけとしてもインターンは有効です。
不動産・建設業界の注目トレンド
建設DXの加速
建設業界は2024年問題(時間外労働の上限規制)への対応として、DXに本腰を入れています。ANDPAD(施工管理SaaS)、Photoruction(写真管理AI)、ABEJA(AI画像解析による品質管理)など、建設テック企業が急成長中。ドローンによる測量、BIM(Building Information Modeling)による3D設計、建設ロボットの導入も加速しており、「建設=肉体労働」のイメージは急速に変わりつつあります。
不動産のトークン化(デジタル証券)
不動産をブロックチェーン上でトークン化し、少額(数万円〜)から投資できる「セキュリティトークン(ST)」が注目を集めています。三井物産デジタル・アセットマネジメント、ケネディクス、Securitize Japanなどが参入しており、不動産投資の民主化が進んでいます。
サステナブル建築
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)やZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)の推進が国策として進んでいます。LEED認証やCASBEE評価を取得するビルが増加し、環境性能が不動産の資産価値に直結する時代になりました。
不動産・建設業界インターンの成功事例
不動産テック企業のインターン→大手デベロッパーに内定
不動産テック企業でマーケティングと営業を1年間経験。不動産業界のDXの最前線を体験しながら、業界の商慣習も深く理解。この「テック視点×不動産業界理解」の組み合わせが大手デベロッパーの選考で高く評価され、三井不動産の開発部門で内定を獲得しました。
建設テック企業のインターン→VCに転身
建設業界向けSaaS企業でプロダクトマーケティングを担当。建設業界の課題をテクノロジーで解決する現場を間近で見た結果、「建設テック全体に投資する側に回りたい」と考え、VCへの転身を決意。インターンで培った業界知見と人脈がVCの選考で評価されました。
不動産・建設業界で評価される人材像
- 交渉力:地権者、テナント、金融機関、行政など、利害が複雑に絡み合うステークホルダーとの交渉力
- 数字力:利回り、キャップレート、NOI、LTV、DCFなど、不動産ファイナンスの基礎を理解する力
- 営業力:不動産仲介では「高額商材を1人で売り切る力」、デベロッパーでは「テナントを誘致する力」が求められます
- 法律知識:宅建業法、都市計画法、建築基準法の基礎知識はビジネスの前提条件
- テクノロジーへの感度:DXが遅れている業界だからこそ、テクノロジーを持ち込める人材の価値が高い
よくある質問
不動産業界は体育会系のイメージがありますが、実際はどうですか?
仲介営業は成果主義の傾向が強く、体育会的な文化の企業もあります。一方、デベロッパーは比較的落ち着いた雰囲気で、不動産テック企業はIT企業に近い自由な文化です。企業ごとに雰囲気が大きく異なるため、実際にインターンで体感するのが一番の近道です。
建築の知識がなくても不動産業界のインターンに参加できますか?
ビジネスサイド(営業、マーケティング、企画)であれば建築の専門知識は不要です。不動産に関する基本的な知識はインターン中に学べます。宅建の勉強を並行して進めると理解が深まります。
不動産・建設業界の市場規模と動向
日本の不動産業と建設業は合わせてGDPの大きな割合を占める巨大産業です。東京を中心とした再開発ラッシュ(虎ノ門ヒルズ、麻布台ヒルズ、東京駅前常盤橋プロジェクト等)が続いており、不動産投資額は過去最高水準を維持しています。
不動産テック市場は約5,000億円規模に成長し、AIを活用した物件査定、VR内見、スマートロック、建設現場のDX(ANDPAD、Photoruction等)など、テクノロジーの導入が急速に進んでいます。一方で建設業界は2024年問題(時間外労働の上限規制)に直面しており、省力化・自動化への投資が加速しています。
不動産・建設業界インターン経験者のリアルな声
都内私立大学 政治経済学部 3年生(不動産テック企業でインターン)
「不動産のデータプラットフォームを運営する企業で、マーケティングと営業を担当しています。不動産業界は『紙とFAX』の文化がまだ残っている業界で、DXの余地が大きい。テクノロジーで業界を変える実感があり、やりがいは十分です。不動産業界の商慣習を知った上でテック企業の視点も持てるのは、この環境ならではです。」
不動産・建設業界のインターンを始める前の準備
- 宅建(宅地建物取引士)の勉強を始める:在学中に取得すれば選考で大きなアドバンテージになります。難易度はやや高めですが、3〜6ヶ月の勉強で十分合格可能
- 不動産の基礎用語:利回り、キャップレート、NOI、LTV、レバレッジなど不動産投資の基本概念を押さえましょう
- 再開発プロジェクトの事例研究:東京の主要再開発プロジェクトの規模、コンセプト、関係者を調べておくと、デベロッパー志望の面接で差がつきます
Voilのアドバイザーに相談するメリット
不動産業界は「仲介営業のテレアポ」を中心としたインターンと、「不動産テック」「デベロッパーの企画」など質の高いインターンの差が大きい業界です。Voilのアドバイザーが、あなたのキャリア目標に合った質の高い不動産インターンを厳選して紹介します。
不動産・建設業界の注目企業
三井不動産
日本最大のデベロッパー。東京ミッドタウン、ららぽーと、三井アウトレットパークなど、商業施設・オフィス・住宅・ホテルを総合的に開発。「日本橋再生計画」は数十年にわたるまちづくりプロジェクトの代表例。海外事業も急拡大しており、グローバルなデベロッパーとしての存在感を増しています。
三菱地所
丸の内エリアを中心にオフィスビルを開発・運営。東京駅前の常盤橋プロジェクト(TOKYO TORCH)は高さ日本一のビルを含む大型再開発。「丸の内を世界で最もインスピレーションに溢れる街にする」というビジョンのもと、オフィスだけでなく文化・エンタメ・レジデンスの複合開発を推進しています。
GA technologies(RENOSY)
不動産テックの代表企業。AIを活用した不動産投資プラットフォーム「RENOSY」を運営し、物件選定から契約、管理までをデジタル化。不動産業界のDXを牽引する存在として注目されています。インターンではテクノロジー×不動産の最前線を体験できます。
不動産・建設業界のインターン面接で聞かれやすい質問
- 「不動産業界に興味を持ったきっかけは何ですか?」 → まちづくりへの関心、不動産投資への興味、建設テックの可能性など、自分なりの「入口」を持つことが大切
- 「最近気になる再開発プロジェクトはありますか?」 → デベロッパー志望なら必須。プロジェクトの概要、開発コンセプト、社会的意義を語れるようにしましょう
- 「不動産業界のDXはどう進んでいると思いますか?」 → VR内見、AIの物件査定、建設管理SaaSなどの具体例を挙げ、業界の課題と機会を説明できると高評価
不動産業界の面接では「行動力」と「営業適性」が見られます。接客アルバイトや営業系の活動経験があれば積極的にアピールしましょう。
不動産・建設業界のグローバル展開
日本のデベロッパーは海外事業を急速に拡大しています。三井不動産は米国・英国・アジアで大規模開発を手がけ、海外売上比率を30%に引き上げる目標を掲げています。三菱地所もニューヨーク、ロンドン、シドニーでオフィスビルを開発・運営しており、日本のデベロッパーのグローバルプレゼンスが高まっています。
建設業界でも、大林組がオーストラリアやアジアで大型プロジェクトを受注し、鹿島建設が東南アジアでの事業を拡大しています。建設技術の輸出に加え、PPP(官民パートナーシップ)やコンセッション(公共施設の運営権取得)など、新しいビジネスモデルでの海外展開も増えています。
不動産・建設業界のインターンでは、国内の業務が中心となりますが、グローバル展開を意識した企業選びをすることで、将来的な海外キャリアの基盤を築くことができます。
不動産・建設業界で長期インターンを選ぶ際の最終チェックリスト
不動産・建設業界のインターンを選ぶ際のポイントです。
- 仲介営業の「テレアポ中心」ではないか:不動産仲介のインターンの中には、電話営業ばかりの企業もあります。営業スキルは身につきますが、不動産業界の全体像を理解するには不十分です。マーケティング、企画、物件評価など幅広い業務を経験できる企業を選びましょう
- 不動産テックか、伝統的不動産会社か:テクノロジーで業界を変えたいなら不動産テック、不動産の商慣習を深く学びたいなら伝統的企業を選びましょう。両方の視点を持てると最強です
- 宅建の取得支援があるか:宅建の取得を支援してくれる企業は、インターン生の成長に真剣に投資している証拠です
不動産・建設業界はDXの余地が特に大きい業界です。「まだFAXが現役」という環境は裏を返せば「テクノロジーを持ち込める人材の価値が極めて高い」ということ。デジタルスキルを持つ学生が飛び込めば、大きなインパクトを残せる業界です。
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まとめ
不動産・建設業界の長期インターンは、営業力、交渉力、プロジェクト管理力を実践的に鍛えながら、DX化が進む業界の最前線を体験できる場です。デベロッパー、仲介、不動産テックと選択肢は幅広く、自分のキャリア志向に合ったポジションが見つかるはずです。不動産 / 建設業界のインターンについてもっと知りたい方は、業界に詳しいアドバイザーが個別にご案内します。